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「へえ、かっこいいじゃない。ノスタルジックな雰囲気がいいわね」
倫子が、遼の新たな住まい、『メゾン・ド・シャンロジュマン』の入り口で、外観を見上げながら言った。
「そうですね。年季が入った感じが素敵かも」
莉央も 言った。
「いいよ。無理に褒めなくても。言われてる俺が切なくなる」
「いいのよ。これくらいノスタルジックなほうが、あんたには向いてるわよ」
「うんうん、賛成」
「益々切なくなるだろう...でも、三階建てなのにエレベーターがあるんだぞ」
「それは凄い」
「エレベーターが自慢なのねぇ」
そんな会話をしながらエレベーターに乗り、部屋まで来た。
莉央は、ちょっとドキドキしたが、案外落ち着いていられて良かったと胸をなでおろしていた。ちらっと倫子を見ると、平気な顔をしているが、少し顔が紅潮しているように見えた。
(あら?倫子さん、あんまり遼くんの部屋とか行ったことないのかな?)
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