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「へえ、広いのね」
部屋に入って まず、倫子が言った。
「ホントだ。やっぱり一人暮らしの部屋ってこれくらい必要なんですねぇ」
「あら、私の部屋はこんなに広くないわよ。ワンルームだし」
「え、そうなんですか?」
「うん、12畳くらいかな。その中にキッチンも入ってるんだよ」
「12畳..」
莉央の部屋は6畳だ。親が建てた一戸建て住宅の2階にある部屋なので、当然、キッチンもダイニングもない..というか必要ない。純粋に『自分のためだけの部屋』である。
そう考えると、キッチンやダイニング、トイレまで付いていると、12畳でも案外狭いのかもしれない。
「他にも部屋があるんでしょう?」
倫子は、『探検』する気満々で、部屋の中に入っていく。
慌てて 莉央もついていく。
「後は 寝る部屋だけだよ」
荷物を開きながら遼が答える。特に『探検』を阻む意思はないようだ。
ふたりは、自分たちの持ってきた荷物を遼の側に置き、『寝室』のドアを開けた。
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