第一章 受験? 受難?

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「おかしくない?遅れて入ってきて、私の隣に来るんだよ。そしてくしゃみ3連発だよ」 「あのくしゃみは傑作だったよね~。試験官もびっくりしてたよ」 「だから~私の隣でしなくてもいいでしょっていう話」 莉央は、同じ教室で受験している高校の友達2人..香と千佳..と 外に向かう廊下でしゃべっていた。 「あんたの言ってることがおかしいよ」 3人の中で最も冷静で大人びている香が言った。 「なんでよ~、くしゃみ3連発の後、鼻すすり続けるんだよ。ティッシュ1枚しか持ってないし」 「だから...もういいわ」 あきらめたらしい。 三人の中では、最もおしゃれで男子の眼を気にするタイプの千佳が、 「でも、ちょっとイケメンじゃなかった?あのくしゃみクン」 「え~ あんたどこ見てるのよ」 「水も(したた)るいい男..なんちゃって」 「ふん、ただの濡れネズミ男よ」 「それ、いい!」 「ほら、次のテスト始まるよ」
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