第一章 受験? 受難?

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 トイレを済ませて戻っても、隣の受験生は戻っていなかった。  手持無沙汰気味の遼は、鞄から次の試験である国語の問題集を出して、パラパラと見ていた。  隣の受験生..莉央..は試験開始直前に戻ってきた。 席に付こうとするところに 遼が、 「さっきは、ありがとうございました。大変助かりました」 不意を突かれた形になった莉央は、一瞬動作を止めて遼の方を向いた。 ふたりの眼が合った。 「あ、いえ」 すぐに莉央は目をそらし、席に着いた。 二科目目の試験が始まる。
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