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試験は、滞りなく終了した。
帰りの電車の中で、莉央が香と千佳に愚痴を言っている。
「まったく、あの濡れネズミ男のせいよ」
「最初のとき以外、何もなかったんでしょ?」
千佳が、「水も滴るいい男」を庇う姿勢を見せる。
「あれだけで充分よ。すっかり調子を狂わされちゃったわ」
「他人のせいにしないの。全ては運命なのよ」
香は、冷静に というより冷酷に近い口調で、少し訳の分からないことを言っている。
「ああ、もう、この世に神はいないのかしら?いたとしてもバカなの?」
莉央が信心深い人が聞いたら卒倒するようなことを呟いた。
「私は、バカでもイケメンならいいな」
千佳は、外見で人を判断する。騙されやすいタイプである。
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