第二章 え?合格♪ 三角!

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「あ!」 「お!、よかった」 あの「濡れネズミ男 (今日は濡れていない)」が、人込みの中から現れたかと思うと、ズンズンと莉央に近づいてくる。なぜか、ニコニコしている。 「おめでとう」 「へ?」 思わず、変な声になってしまった。 「合格、おめでとう。ホント良かったよ。落ちてたら僕のせいだと思ってたんだ」 妙にラフな「友達口調」になっているのが気にいらない、と言えば気に入らないが、今はそれどころではない。 「ほんと?受かってた?ほんと?」 こっちも「友達口調」なのは、気にしない。 「うんうん。10456でしょ?あったあった..って、見てないの?自分で」 「ちょっと、人込みは苦手で」 「そっか。でもあったから大丈夫。10456 と・し・ご・ろ あったよ。僕の一つ前だし。ほら、あそこへ行けばわかるんじゃない?」 彼が指さしたのは、合格者に渡される「入学のしおり」みたいなやつを渡しているところだ。 「行こ」 あまりにも自然に手を差し出されたので、つい、その手を握りかけて..慌ててその手を引き戻し、 「あ、いや、ええ行きます」 とにかく、並んでテントを建てた「ブース」のようなところへ向かった。
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