手紙

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「そうしまっし。お母さんも喜ぶわいね」 祖母は満足そうに笑みを浮かべた。 「うん」 私も自然と笑みが零れた。 「先に下降りとるよ」 そう言って母の部屋から出て行く祖母の後ろ姿を見送った。 母は私が2歳の時に亡くなった。 ガンだった。 兄は4歳で、弟はまだ生後6ヶ月だった。 弟は祖母のいとこの甥の養子になった。 その時、彼は生後10ヶ月で、私は母の事も弟の事も覚えてはいない。
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