第三話【手紙】

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憂鬱の中で視界は精神的疲労から紫に染まる。 訴えが通じないのだから仕方の無い話だ。 フラフラと足取り定まらず登校したせいなのか、体が誰かにぶつかった。 涙を瞳に溜めた女生徒、一年生のあの子だ。 そのまま駆け抜けていく彼女を呆然と見つめ、彼女が走ってきた方向を見つめる。 職員室前の掲示板にその答えは有った。 そこには、入賞した作文が並べられており、恐らく彼女の物と思われる作文に、落書きがされていた。 自分の傷と重なり、眉根を潜める。 「良い気分じゃ無いな」 彼女の作文は一緒に書いたからなのかもしれないが、酷く感情移入していた。 「一年生の担任は……っと」 授業が始まるまでまだ時間は有る。 残酷過ぎる悪戯に、出来ることをしようと思った。 それから、しばらくして昼休みになる。 えらく飛ばしたものだと言われるかもしれないが、特に書くことも無ければ省略されてしまうのが青春の一コマだ。 相変わらずの気分の悪さと、崩した体調では、弁当の食事は喉を通る筈もない。 やむなく、自販機で飲むヨーグルトで満たしながら、歩いているとあの子の姿を見付けた。 一人食堂の隅で誰も寄せ付けないようなそんな雰囲気の中でじっと何かを見つめていた。 関わる理由も無ければ、義理も無いというものだが、彼女の腰掛ける向かいの席に腰掛けた。
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