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大きくなったね。優しい子に育ってくれてありがとう。サヤカがどんな大人になるか、楽しみだった。ごめんな……。ずっと側にいられなくて……。これで最後にします。少しばかり早いが、“卒業おめでとう”。ママをよろしくね。サヤカがパパの子で良かった
平成二十三年 八月二十九日 春田 敬之より』
わたしの父は、その翌月の九月二日にこの世を去った。その日は、地元の秋祭りの二日目だった。父は、わたしと母と三人で祭り巡りをしたいと言っていたが……。その願いは叶わなかった。
わたしはそっと、手紙を封筒に仕舞い。ベッドに倒れこむように、泣きじゃくった。
子供のように泣きじゃくったのだ……。
終わり
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