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「はぁー早くバット振りてー」 「だな.......走んのきっつい」 グラウンドの外周を俺たち新入部員はもうすでに5周はしていると思う。 本当はバッドを振ったり、球を投げたりしたいが新入部員の俺たちがそれをできるのは夜間の自主トレの時間だけだ。 自主トレの時間は自分の好きな練習に当てれるようになっている。 まだ4月だというのに、走っている体のいろんな部分から汗が滴り落ちる。 「高校ってすげーな.......シニアも大概だと思ったのに」 「そりゃあな。だから、強いんだろ」 私立の強豪校は、公立とは違った野球部専用グラウンドにクラスもスポーツクラスで、大会や練習が優先される。 そんなの、強くなかったら優先なんかされないものだ。 「そういえば、明日は試合なんだろ?」 「あぁ、らしいな。俺らはスタンドで応援だけどな」 春の県大会が4月はじめの土曜日から開催されていて、明日は準々決勝にうちの高校が出るらしい。 準々決勝からは、俺ら新入部員も応援に行けるらしく、監督から今日の朝に話があった。 入部してから、3週間。 自分は出れないにしろ、やっと試合の緊張感を味わえると思ったら興奮しないわけがなかった。
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