イマジナリー・ガールフレンド

10/24
前へ
/24ページ
次へ
『さ、やり方がわかったら、早速やってみなよ』 「わかったよ」  僕は部屋の姿見を凝視して、それを脳裏に想像する。 『上手いじゃねえか』  「あおい」の方に振り向くと、いつの間にか「彼女」の隣に姿見が置かれていた。 『それじゃ、行くぞ』  「あおい」が(イマジナリーな)姿見に飛び込むと……  突然、僕の部屋の姿見から、何かが飛び出してきた。  ドスンと大げさな音を立て、それは床を一回前転してすぐに起き上がる。 「うそ……」  信じられなかった。  それはまさに、「あおい」だった。しかも、完全な実体感を備えている。向こうが薄く透けて見えていたりしない。
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加