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「確かに子供じゃそんな目であたしを見たりはしないよな。ま、ユウトもそういう年になった、ってことか……昔はかわいかったのになあ」
そりゃお互い様だろ。
「言っとくけど、今のあたしは二乗されてる存在だってこと、忘れんなよ。だからこんなデブになっちまったんだ」
「……え?」
いや、決してデブでは……ないと思うが……
「と言っても、サイズの変化は対数になるみたいで、せいぜい2倍程度で収まってるけどさ」
ログって何だ? いや、それよりも……
「ってことは、体重とかも2倍に……」
僕がそう言った瞬間。
「!」
目にも止まらぬ速さで何かが目の前に飛んできた。しかし僕の顔に叩き付けられたのは、それが巻き起こした旋風だけだった。それは僕の目の前1センチほどでピタリと静止していた。
「それ以上言うんじゃねえ」
右の拳を僕の顔の前で寸止めさせたまま、あおいが低い声で言う。
鋭い視線。凄まじい殺気。顔に冷や汗が流れるのを僕は感じる。
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