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なんか、聞き捨てならないことを言われた気がする。 「月のお姉さんって、何?」 「月のお姉さん。」 ウサギくんが、人差し指をスッと私の方に向ける。 ……恥ずかしいじゃないか。 「母親世代の私にその呼び名はないでしょ。」 ウサギくんは目を瞬いた。 「母親世代?」 私は頷きながら説明する。 「私の同級生で早くに結婚した子の中には、お子さんが高校生って人、複数いるよ。 だから、母親世代って言ってもいいと思うんだけど?」 ウサギくんは目を見開いて、しげしげと私を見つめる。 ……恥ずかしいじゃないか。 「月のお姉さん、若くて綺麗だから、そんなわけないと思うんですけど。 うちの母親なんか……。」 ウサギくんは、急に口をつぐむと、まっすぐ前を見て、ブランコを漕ぎ始めた。
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