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「独身です。したくない訳じゃないのに、縁がなくて、独身が続いてるアラフォーです。」
別に隠したい訳じゃないし。
さらっと答える。
「月のお姉さん、綺麗だし、優しいから、縁がないとか不思議です。」
ウサギくんに綺麗だの優しいだの言われて照れ臭く思うなんて、アラフォーでもまだまだ自分はお子ちゃまだなーなんて、心の中で呆れてしまう。
「ないものはないのよ。」
とだけ、答えた。
「昨日、母親世代って言ったじゃないですか。
うちの母さんは、こんなおしゃれじゃないし、もろにおばさんって感じだし、口うるさくて、過干渉で、結構最悪で。」
ウサギくんが苦々しい顔をして、お母さんの悪口を漏らし始める。それも、とりあえず、黙って聞いた。
「中学2年頃から、俺は母親と口もきかず、顔も極力合わせないようにし始めたんです。」
ウサギくんが小さくため息をつく。
でも、話は終わっていない。
「高校生になってからは、今のバイト見つけて、平日の夜はこの時間までバイト。土日は朝から別のバイト入れて、とにかく家に極力いないようにしてました。」
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