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うさぎは顔をしかめ、すぐさまペニスをコハクからひきぬく。コンドームを片手で乱暴にはずした。窮屈なラテックスから自由になった欲望が、コハクの背中にほとばしった。
コハクは、あたたかいものを背中に感じて、満たされた。先ほどまでうさぎのペニスをうけいれていた穴は、ぽっかりと口を開いており、うさぎは確認するように指で周辺を探索する。あげく、また侵入する。
まだ受け入れ可能と、内部がからみついてくるのがわかると、インターバルをおくことなく、いたずらを再開した。
「んんん、っ……、それ、もう、……っ」
コハクの腰が揺れる。
「あ、あ、ん、……まだ、まだするの……?」
「だめ?」
「……だめじゃない、けど」
「けど?」
そう言ったうさぎの、優しいのに有無を言わせないずるい声音に、コハクはまた身体のナカがぐずぐずとしてくるのを感じる。コハクはどうしようもないうずきにじりじりしながら、せいいっぱいの虚勢をはった。
「……俺の虜になった?」
「なった」
熱をおびたうさぎの瞳には、髪を乱れさせ、淫蕩な顔をしたコハクがいた。
「もうどこにもやりたくないな」
そんな風に言われるなら。
今だけの、この瞬間だけの言葉だったとしても、そう、望んでくれるなら。
コハクはうさぎの言葉に酩酊した。この場に自分が百人いたら、百人すべてをうさぎにさしだすだろう、と思った。
「うさぎ……、すき、……す、き」
まわらない舌で必死に言い、手をひろげる。
恋に酔っぱらっているのはコハクだけではないようで、うさぎはコハクの肌に耽る。息継ぎを忘れたかのように、口づけを続ける。
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