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「特区に来てからはバイクに乗ってない。今は魚を撃っている、ん、……っ、」
うさぎがコハクの乳首にいたずらするので、コハクは反応してしまった。
「魚?」
「そう、魚……鳥になる……魚」
うさぎが仕掛けてくる行為に気をとられながら、答えた。地下世界でのシューティングは、現実でのシューティングとほぼ同じ脳派になるので、深部の筋肉が鍛えられる。
「次はぼくの番だ」
「……え」
うさぎは笑顔で新しいコンドームをつけはじめた。もう終わったと思っていたコハクは耳を疑う。
「バックでしたいな。さっきのローションまだある?」
「あ……、と、あるけど」
うさぎはコハクの髪をていねいに片側によせ、露わになったうなじに鼻をおしあてた。
「すごくいいにおい」
甘い言葉は言われ慣れている。そのはずが、コハクは落ち着きをなくす。首筋はみるみるうちに赤く染まる。身体をよじって逃れようと試みるが、強い力で阻まれ、うなじに鼻をあてたままくすくす笑われた。
「ぜんぶを舐めたし、くまなく見た。さっきだってあんなに大胆だったのに、どうしてこれくらいで」
そうしているうちに腰を高くする姿勢をとらされた。尻にペニスをあてられる。先端をすりつけられ、入ってくる、と身構える。
しかしじらすように、からかうようにあてるだけで、いつまでたっても挿入されない。コハクはとうとう尻を揺らした。
「かわいい」
わざとだ、と思って、悔しくて涙ぐんだ。いつもなら逆だ。こっちがじらして、相手がねをあげる。許して、入らせてと頼まれて、許可をだす立場なのだ。
コハクは肩越しに相手を睨んだ。尻の溝に押しあてられているうさぎのペニスを腰をつかって刺激した。
「……っ」
それが逆に自分への刺激となって、感じて声をあげた。
「コハク、いやらしくてとても素敵だ」
次の瞬間待ち焦がれたものが、ぐりっと先端のみ、ねじこまれた。
「……、……、…………ぁ」
腰を固定され、さきほどコハクが主導したのとは異なる深度と角度で、奥の奥まで挿ってくる。届く、もう届いてしまう、と思った瞬間、背後から腕をまわされ強く抱きしめられた。
いや、抱きしめるというより拘束だ。コハクの上半身はうさぎの腕によって身動きがいっさいできなくなる。
ベッドにうつぶせに押しつけられ、自由なのは膝から下だけだ。脚を跳ね上げさせると、足の裏が天井を向く。
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