百億分の一の悲劇

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百億分の一の悲劇

その少年、朝起きて、朝食と支度ののち、学校へ出かけた。 そして歩いていき、学校に到着し、教室へ入っていった。 そういやいつもならみな子と一緒になるはずだけど今日は見なかったな。まあたまには時間がずれることもあるだろう。 先生が来て、出席を取る。少年は自分のところで返事をした。 その後、授業が始まる。 あれ、みな子、呼ばれてたかな。いやたぶん自分の聞き逃しだ。今は同じ教室にいるはずだよね。 そう考えて、このときは特に確認はしなかった。 それから1時間目の授業が終わり、何か気になるな、ということで、みな子がどこにいるか探してみることにした。 みな子の席は・・・あれ、どこだっけ。普段行ってないからわかんないや。 なら、他の子に聞いてみよう。 「みな子さん、どこにいる?」 それを聞いた児童達、みんな首をかしげて不思議がる。 「ええ、誰それ」 「知らない名前ね」 あれ、どういうことだ? とにかく、学校中を探し回ったり、色んな子達に聞いてみたりした。だけど誰1人知る者はいなかった。 一体どうなってるんだ。それならば。 その日の授業が終わり、放課後になり、少年は、みな子の家に行ってみた。 みな子は小さいときからの幼なじみだ。家族に聞けば何かわかるだろう。 そして家に着くと、みな子の母がやって来たので聞いてみた。 だが・・・。 「ええ?うちにはそんな子いないわよ」 ああ、もうわけがわかんない。どうなってんだ。 少年は途方に暮れて自分の家に戻ろうとした。 そうして歩いているところへ、1台の車が少年の前に止まった。そして扉が開いた。 「みな子さんのいるところへご案内します」 少年は車に乗った。運転席には誰もいない。自動運転のようだ。声も車の機械が発したものだ。 それから扉が閉まり、車は走り出した。
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