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内藤は顔は特別イケメンと言ったわけではないが背は高めで全体的にバランスは良いし、このように人に好かれやすいタイプの性格だから生徒にも人気だ。
「使わないんなら俺にその容姿くれよ~」
内藤がナヨナヨと嘆いているとたまたま通りかかった女生徒たちに声をかけられる。
「あ、内藤っちまた橘柳先生に絡んでるの~?嫌われてもうちらが居るから泣かないでね!」
「内藤っちはその顔だから良いんだから~」
あははっと笑いながら彼女たちがそう言うと、「それどういうことだよー!嫌われてないし!」と弁解していた。
彼女らは内藤に手を振って去っていく。
「......嫌われてないよな?」
「......」
「えっ、なんか言えよ優夜~!」
相変わらず嵐のように騒がしい男だ。
そうしているうちに職員室に着き、俺は自席へ戻る。午後の授業はもうないので授業の予習やら記述採点を始めた。
内藤の言う“恋のお悩み”は実際のところあまり間違っていない。ああいうアイツの的を得た所がどうも不意を突かれたようで苦手だ。
こんな性格だから、人に気を使うのもあまり得意じゃない。だから女を相手にするのも面倒だ。
自分自身ではどうでもいいが周りからしたら俺は容姿が好かれやすいらしい。
そのせいで中学の頃から同じクラスの女子に告白されたり、酷い時ではしつこく付きまとわれストーカーまがいの事をされたこともあった。
こういうことを言うと嫌味と取られてしまうのだろうが、あげられるならこの容姿は俺には必要ない。
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