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「偉そうだな」
思わず口をついて出た第一声はそんな言葉だった。
「ふふんっ、俺神だし!」
「またそれか」
いつまでもこんな中二病めいたこと言わせてないで、家出チェックをしなくてはな。
まず、家出をしているなら簡単に服装は変えられないはずだから次コイツを見たときの参考になる。
そう考え、昨日は色々唐突過ぎて意識的に捉えてはいなかった服装をみる。
「......ん?」
神職のような姿をしているじゃないか。
コイツは本格的に中二病にかかってしまったのだろうか?だとしても家出したままは良くない。
とりあえず名前でも聞いておこう。
「おい、お前名前は何て言うんだ」
「名前なんてないっつーの!神だっていってんだろ!」
家出少年はしつこい!!と怒りながら地団駄を踏んでいる。
そうか、名前を言ったら警察に言われて家に返されると分かっているから中二病設定でカバーし言わないのか。意外と懸命なやつだ。
とりあえず話題を変えるか。
「そういえば、そのコスプレは昨日と同じなのか?」
「コスプレ...?って、失礼だな!いくら俺が清潔で神秘的で神々しくたって毎日着替えてるし!」
「あぁ、そうか、悪かったな」
予想と違い俺はあっさり謝った。神という設定を守るためか使う言葉にも神がよく入るな。
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