水野の父

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 水野の父は、落ち着かない様子だった。  キョロキョロとするわけではないが、落ち着かない様子は、誰の目にもわかった…  そして、それが、自分にもわかったのだろう…  「…こういう店に、自分の娘ぐらいの年頃の女性と入るのは、なんだか、落ち着きませんね…」  と、照れ笑いを浮かべて、言い訳をした。  「…私も、この店は、二度目です…」  「…二度目…ですか?…」  「…前回は、好子さん…米倉好子さんといっしょに、来ました…」  私は、わざと米倉好子さんの名前を出した。  眼前の水野の父親が、どういう反応を見せるか、知りたかった…
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