米倉と水野

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 「…知り合いですか?…」  「…お互いが、似たような境遇でしょう?…」  「…似たような境遇…ですか?…」  「…いや、私も平造も、昔からの名門といっては、鼻に付きますが、少しばかり世間に知られた企業の経営をする立場だった…それで、肝胆相照らすといっては、なんですが、打ち解けるには、時間がかからなかった…」  「…そうですか?…」  言いながら、私は思った。  以前、米倉好子は、水野は、米倉よりもはるかに、大きな名門だと、私に告げた。  あれは、昔から、水野を知っていたからだ…  そして、なにより、水野を知っていたから、好子は、あの水野と、相談=密会したのだ…
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