6人が本棚に入れています
本棚に追加
/31ページ
「…知り合いですか?…」
「…お互いが、似たような境遇でしょう?…」
「…似たような境遇…ですか?…」
「…いや、私も平造も、昔からの名門といっては、鼻に付きますが、少しばかり世間に知られた企業の経営をする立場だった…それで、肝胆相照らすといっては、なんですが、打ち解けるには、時間がかからなかった…」
「…そうですか?…」
言いながら、私は思った。
以前、米倉好子は、水野は、米倉よりもはるかに、大きな名門だと、私に告げた。
あれは、昔から、水野を知っていたからだ…
そして、なにより、水野を知っていたから、好子は、あの水野と、相談=密会したのだ…
最初のコメントを投稿しよう!