最終章 猫と小鳥と恋人たち

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もうね、年上だとお爺ちゃんになっちゃうから、年下の方が頼もしいのよってマコさんは少女のように笑ってたって。まあ好きになったら年なんて関係ないよな。 俺もこのクソ生意気な年下にすっかり夢中になる日が来るなんて、出会った時にはこれっぽっちも思わなかった。 ――嘘。これっぽっちくらいなら、思ってた。 でも慧治がこんな風に俺を好きになってくれるなんて、思ってなかった。 そんなことを考えてつい熱い目で慧治を見上げたら、キスされた。 恋人同士のキス。 舌を絡めたり、歯列をなぞられたり、内側の粘膜が触れ合う程深く唇を重ねたり、こんなキス気持ち悪いと思ってた。 慧治としかしたくない。 慧治となら、いつまででもしていたい。 慧治とだけ、ずっと―― 営業中の店内に音が響いたら大問題だからキスで食い止めないとと思いつつ段々濃厚になるキスを続けていたら、下から声を掛けられた。 「アラン、お客様よ」 え、俺に? ここに住んでるの知ってるのは母親と社長位のはず――あ、違う、もう1人いた!
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