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「ご馳走様でした。お休みなさい」
「ああ、お休み」
「行くよ、ノアール」
ニャーと甘えた返事をして、ノアールは当然のように奴について行った。
えー、いつも俺の布団の上で寝るのに。
嘘だろ、俺今日独りで寝るの?
恨めしそうに背中を見ていると、奴は思い出したように振り返った。
「あ、ねえ、ハッテン場って知ってる?」
「8点バー?」
なんだそれ。アイスの当たりクジか?
キョトンとしてると、奴はフッと笑った。
「あの公園、近づかない方がいいよ。駅からの近道だけどあっち通るなって言われてたと思うけど?」
ああ、確かに住み始めた頃、マコさんに言われた。
夜は結構治安悪いから大通りを使えって。
「え……おまえは注意されてたのに敢えてあの道通って来たってことか?」
「うん。だって実際大丈夫だったじゃん。じゃあお休み」
頭来た。
つまり大丈夫じゃなかった俺は弱いってことか。
ツヨシじゃなくてヨワシじゃん。
全国のひ弱なツヨシくんが一度は言われるムカつく言葉。
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