最終章 猫と小鳥と恋人たち

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「ポタージュ、餌だよ。お腹空いてない?」 鳥カゴの中から餌の容器を取り出して掲げながら、なんとなく緑の多い方に歩いて行ったら、あの公園に出た。 ここにはよく猫が来る。もしかしたらもう―― いや、そんなわけはない、ポタージュは賢いから猫にやられたりしないって、タツヤさんが言ってたじゃないか。 案外下の方にいるかもしれないと植込みの中を覗いて見たけど姿は見えない。 「近所の人に聞いてみようか。ポタージュの写真頂戴」 「ああ」 慧治に写真を送ろうとしたその時だ。 ノアールが木を駆け上って――飛んだ!  その先には――カラスがいる! 空中で、強烈な猫パンチ。カラスはよろけて飛び去っていった。 そしてノアールは優雅に回転して地面に降り立った。 着地成功。スゲー、カッコイイ。体操選手みたい。 ――でもなんで? 呆然とノアールを見詰めていると、羽ばたく音が聞こえた。 頭に軽い衝撃。俺の頭に何か止まった? アラン、アッラーン
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