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ノアール
呼ばれたノアールは悠然と部屋に入って来てソファの上に寝そべった。そして来いよというようにニャアと鳴くと、ポタージュが舞い降りてきてその腕の中に収まった。
ノアール ジュテーム ジュテーム ノアール
あれからすっかり仲良しだ。夜も一緒に寝ている。最初は心配したけれど、ノアールは俺達以上にポタージュを大事に扱ってくれる。
ポタージュも雄らしいし、そもそも猫と小鳥だけど相思相愛みたいだ。
俺もポタージュにアイシテルって言われて悪い気はしないけどさ――
「慧治、少しは考えろよ。マコさんに俺達のことバレたら――」
「とっくに知ってるよ。気付いて聞かれたから、正直に話した」
マジか――!
「慧治ゲイだったのって驚いてたけど祝福してくれたよ。気を遣わせちゃうから、アランには私が知ってることは話さないでいいわよって言われたけど、話しちゃったね」
そうなんだ。全然気付かなかった。
「驚いてたって――ゲイだってことも言ってなかったんだな」
「そりゃまあ……友達とは違うからね」
以前店に連れてきた友達は全員慧治がゲイだと知っていて、その上で俺が好きだということを理解していたらしい。そしてなんと、彼等は全員ゲイもしくはバイセクシャルだという。日本の少子化が益々加速しそうな衝撃的な事実だ。更に驚くことに、俺をマジで口説こうとしていたあの男は、出禁を言い渡されても足繁く店に通う内にマコさんと出来てしまったようだ。
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