最終章 猫と小鳥と恋人たち

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慌てて下に降りると、思った通りタツヤさんだった。 それにもう1人いる。あれ、この人―― 「久しぶり。元気そうだね。電話しようかと思ったけど――住所教えて貰ってたから直接来ちゃった」 電話が通じなかった後、ダメ元で住所と店の営業時間をSNSに伝えておいたら、来てくれた。 「タツヤさんもお元気そうで――髭剃ったんですね」 「あー、こいつに剃られた。こいつは――」 「はじめまして。マツオカと申します。タツヤとは高校時代からの友人で――」 隣に立っていた体格のいい男性が笑顔で挨拶してくれた。 マツオカ。うん、なんかそんな名前だった気がする。やっぱりそうだよな、この人ってあの―― 「まあ座って話そうよ。ここ、いいですか?」 「どうぞ。お食事なさいます?」 「そうですね。オススメは何ですか?」 「ハンバーグ定食です」 慧治が答えて4人分注文すると、俺は慧治と並んでタツヤさん達の向かいに座った。 「ごめんね、ポタージュ預けっぱなしで。あいつどうしてる?」 「元気です。いっぱい言葉覚えて、ノアール――ウチの猫ともずっと仲良しです」
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