1.猫を愛する男と猫に愛される男

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「おまえ、勝手に食材使っちゃって俺を共犯にするつもりか?」 「つもりかって、もう食べてるじゃん。足りなかったら適当に作って食べていいって許可貰ってるよ」 そうなんだ。じゃあ安心だ。 美味い。卵焼きも絶品だ。これは流石に作り置きじゃないかと思ったけど、柔らかくて中まで温かいから作りたてだ。 「流石、マコさんの甥だな」 あ、しまった、口に出して褒めてしまった。 「教えてくれたのは母親だけどね。料理好きの血は父方の遺伝かも」 「父方ってマコさんのお兄さんか弟ってこと? お姉さんもいるんだよな。マコさんって何人兄弟なの?」 「3人。姉、兄、マコさん。俺の父親はマコさんの兄貴」 なるほど、マコさん末っ子か。 「俺も同じだから気が合うんだよ。ウチは兄貴2人だけどね」 聞いてねーし。 「アランは一番上でしょ」 当たり。 「何人兄弟? 妹? 弟?」 「妹が1人」 「えーいいな、俺も妹欲しかった。めっちゃ可愛いでしょ」
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