第二章 森の家 二

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「二番目は母親となっていますが、風呂場で湯につかっていた。湯であったので、死んだ正確な時間が分からず、計算して算出した」  俺が風呂場に走ってゆくと、内薗も一緒に走ってきた。風呂は大きく、全てが白で統一されていた。  母、有希子は風呂場で頸動脈を切られて死亡していた。その後に、首を切られて並べられたのだ。 「まあ、二番目ではないね……風呂は推測の温度ではない。新井さん、有希子は綺麗に死に過ぎていたでしょう。絵に描いたような綺麗な死で、血が一滴も無かった」 「そうだね。真っ白な世界になっていたね。湯ではなく、水が流れっぱなしになっていて、全てを洗い流していた」  次は二階に登ってゆくと、夫婦の寝室だった部屋に入った。  この部屋は、畳のベッドになっていて、布団を敷いて眠っていた。畳のベッドといっても、半畳の箱のようなものを繋げて使用していて、箱は収納も兼ねていた。四畳半ほどの四角が畳で、他はフローリングになっていた。  俺は畳の上に乗ると、棒を持ってきて天井に引っ掻けると、階段を出した。 「三番目に殺されたとされるのが、父親の晃で、屋根裏の物置で、滅多刺しにされていた」
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