第二章 森の家 二

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「……どうして、そこにチップがあると分かったのです?」 「物置にしては、天井まで綺麗に拭かれていたから、何かあるなと思ってね」  晃はここで殺され、他の家族の死を知らない。 「四番目は、この寝室の鏡台で、長女が殺されていた」  鏡台は警察が持っていったが、似たようなものを内薗が購入していた。内薗は、鏡台の椅子に座って、俺に手を振っていた。 「ああ、晃は長女と長男の無事を知っていたから、屋根裏に一直線に行く事ができた」 「どうして?知っていたと思うの?」  内薗は解剖報告書を手に持っていて、俺を呼んでいた。俺が内薗に歩み寄ると、報告書は新しいもので、内薗がやり直したらしい。 「内薗の見解は何であった?」 「DNAまで調べて、この家を見てみると、別の話が浮かんできたから、調査員を使って調べ直した」  新しい切り口というのを、内薗なりにやってみたらしい。
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