第二章 森の家 二

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「まず、末っ子の幸多は、有希子と晃の子供ではない。晃は父親だけど、母親は長女の小百合だった」  そこで更に調べると、小百合は高校時代に妊娠し、晃と結婚しようとした。だが、周囲に反対されて、結婚できなかった。百合子の妊娠は六か月を過ぎていて、堕ろす事も間に合わず。秘密裡に出産し有希子の子供ということにした。  第九公安部からも情報が届いていて、晃は有希子と結婚する時に、金を貰っていた。それからも晃は、有希子の実家から、生活費を貰い続けた。 「小百合が晃に惚れていた。でも、その事実を消して、小百合を別の男に嫁がせる予定だった」  だが、この家では小百合が夫婦の寝室にいた。 「長男の新一と、小百合は双子で、性別の異なる二卵性だというのに、まるで一卵性と言われるほど似ていた」
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