第二章 森の家 二

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「まあ、有希子が犯人だよね。まず、有希子はいつも、子供部屋から隣の寝室の様子を伺っていた。子供部屋には、幸多がいた」  いつも通りであっても、許せない感情というものはある。  有希子は娘である百合子の未来のために、幸多を実子として、晃と結婚していた。でも、百合子は晃と別れる気がなく、かつ、新一も加わってしまった。  有希子は、小百合が大学を卒業し名門に嫁ぐならば、晃と幸多を育てながら老後を迎えるのもいいかと思っていた。だが、百合子が二人目まで妊娠しようとしていると聞き、堪忍袋の緒が切れた。
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