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「この付近で、パンの袋や、空き缶も転がっています。ここは、登山道ではないので、普通の登山者は来ません。この先にあるダムの関係者は、ゴミを捨てる事はありません」
この山には、今も誰かが潜んでいる。
その噂が気になって、新井はこの家の管理人を引き受けてしまった。
ここで、玄関の方から物音がしたので、新井が驚くと走っていった。しかし、玄関に居たのはチャイムを探していた、西海であった。
「ここの、外のチャイムが壊れていますよね?」
「確認してみます」
外のチャイムと何だろうと確認すると、門の所にインターホンがあったのだそうだ。
「西海!待っていたよ」
俺は、アトリエに歩いてきた西海に飛びつくと、西海は顔色も変えずに、俺をつまんでソファーに投げ捨てていた。
「この付近を少し走ってみましたよ」
「俺も乗せて走ってよ」
俺が、もう一度、西海に飛びつくと、今度は西海が俺を抱えて抑えると、地図を出した。俺がジタバタしていると、仕方なさそうに西海は俺を抱えて座りなおした。西海は、意外にも子供の扱いに慣れていて、押さえ込みが上手い。
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