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『ケーキ屋は合っていたようで、職人を目指し始めたようですよ』
女性二人、しかも母子のように見えていたので、誰も犯人とは思わなかった。彼女達は、堂々と登山道を下り、家へと帰っていったのだ。
「西海、次はダムに行く!」
「分かりました」
しかし、この時間になって、又、霧が出始めてしまった。それでも、ダムに行くと、真っ白で歩けないほどになっていた。
「夏目さん、少し休憩しましょう」
バイクを押して歩くと、自動販売機の横に止めた。どうして、こんな場所に自動販売機があるのか分からないが、ダム関係者が置いたのかもしれない。
俺は、真っ白で周囲も見えないので、自動御販売機の横に座って、オレンジジュースを飲んだ。
「西海、公安というのは疑っていないけど、どこかからの出向なの?」
「言えません」
俺にも言えない事はあるので、それ以上の追及はやめておこう。
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