126人が本棚に入れています
本棚に追加
「……はいはい、帰りますよ……夏目さんには敵いませんよ」
西海は落ちついたらしく、バイクに俺を乗せると、高橋家へと走りだした。
高橋家に到着すると、庭のテントが無くなっていて、皆が家へと移動していた。
「家で寝泊まりする事にしたの?」
俺がリビングに行くと、皆がじっと俺達を見ていた。
「……幽霊が道を歩いてきて、上はどこかと聞いてきたのですよ……」
どうして幽霊だと分かったのかといえば、影がなく、コマ送りの画像のように移動していたらしい。
「上を教えたの?」
「……、……とりあえず、神社に行ってみるように勧めました……」
成仏というのは、結構、難しいらしい。
皆がリビングにいたのは、死体が無かった場所が、リビングとリビング横の和室しか無かったせいだ。二階には誰もいない筈なのに、何かを引き摺って歩く音が続いているらしい。
「俺は、霊を信じていないけど、見えるものは仕方がないから、対応する。否定すると、霊みたいな奴らは、余計にPRしてくるでしょう?だから、はっきり言うようにしている」
最初のコメントを投稿しよう!