第四章 白い森 二

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 転がった頭は笑いながら、廊下で助走をつけると、本体に飛び乗った。  礼を言いたいらしいが、言葉にならないらしいので、俺は書けとジェスチャーで示してみた。 『私達は幸多が生まれて、家族になりました……幸せだった……だけど、有希子には、可哀想な事をしてしまった……』  この四名は、有希子に殺されても恨みを持っておらず、ただ謝りたかったと言っていた。 「もう、永遠に四人で眠っていてもいいよ。バイバイ」  俺が手を振ると、四人は手を振り返し森へと消えていった。 「行ったみたいだね。では、夕食の準備をするかな」  俺が本村から飛び降りると、皆が俺を目で追っていた。 「……あの、まだ、有希子さんがいるのでしょうか?」 「いるでしょう。でも、有希子は、この家、そのものだからね……この家が、取り壊されるまでいるのでしょう」
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