126人が本棚に入れています
本棚に追加
転がった頭は笑いながら、廊下で助走をつけると、本体に飛び乗った。
礼を言いたいらしいが、言葉にならないらしいので、俺は書けとジェスチャーで示してみた。
『私達は幸多が生まれて、家族になりました……幸せだった……だけど、有希子には、可哀想な事をしてしまった……』
この四名は、有希子に殺されても恨みを持っておらず、ただ謝りたかったと言っていた。
「もう、永遠に四人で眠っていてもいいよ。バイバイ」
俺が手を振ると、四人は手を振り返し森へと消えていった。
「行ったみたいだね。では、夕食の準備をするかな」
俺が本村から飛び降りると、皆が俺を目で追っていた。
「……あの、まだ、有希子さんがいるのでしょうか?」
「いるでしょう。でも、有希子は、この家、そのものだからね……この家が、取り壊されるまでいるのでしょう」
最初のコメントを投稿しよう!