第二章 森の家 二

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第二章 森の家 二

 荷造りが終ったので、風呂に入ると、そのまま出発する事にした。かなり深夜になってしまったので、都心を抜けた頃に朝日に遭遇するだろう。 「夏目、眠っていていいよ」 「大丈夫だよ。資料を読んでおく」  予測通りに、朝日が昇る頃に都心を抜けたが、次第に高速が混み始めた。カレンダーを見ると連休で、郊外に向かう車が多かったのかもしれない。 「夏目、少し休憩するよ」 「分かった」  目的の場所は、都心から二時間程離れた場所にあり、長い山道を登った先となっていた。まだまだ先があるので、休んでおいたほうがいい。俺は、この姿では運転を交代できない。  サービスエリアに入り休憩していると、本村が蜜柑のアイスを買ってくれた。 「夏目をボンネットに座らせているだけで、写真を撮る列が出来ているのか……」  俺など写真に撮って何になるのだろう。でも、フラッシュが周囲で光っていて、居心地が悪い。
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