第1章第2話 あいつはキツネとともに

1/3
前へ
/83ページ
次へ

第1章第2話 あいつはキツネとともに

よし、行こう。 特に持ち物もないしね。 俺は森をかき分けて進む、道中食べられそうな木の実やキノコを集めながら進んでいるとすごいものを見つけてしまった。 洞窟を発見してしまったのだ。 それもいかにも深そうなやつだ。 こんなん誘ってるようなもんだ 「これは行くしかないでしょ」 と生きこんだのはいいものの、いきなりどこから乾いてきた大量の水によって洞窟の中に流されてしまった! どういう理屈で水が出てくるんだよ 魔法か そんなこと考えてる場合じゃない これはやばい そう激しく流れる水の中でそんなことを思う。 意識がもうろうとする中、どこからか僕の耳に笛や太鼓の日本を思わせる邦楽が流れてきた。 これは天国への道かそれとも生への道か そして気を失った 「う、なんだ」 目を開けるとごつごつとした岩の天井が目に入った。 起き上がろうとすると背中が痛む。 「う。。。」 とうめき声をあげる。 すると、 「お母さん、目を覚ましたよ」 と幼い少女の声が聞こえる。 「まあ、本当?」 そんな会話を聞いてるうちに僕は意識をまた失った。 なんだかおなかがおもい、そう思って目を開けると、少女がおなかの上に乗っていた。 それも犬のような耳の生えた少女が。 「うああ」 などと情けない声を出しながら飛びおきる。 「あ、起きた」 とかわいらしい笑顔を向けてくるが、僕は彼女の後ろのくねくね動く柔らかそうなしっぽが目に入った。 人間じゃない?その考えが頭をよぎる。 ていうか絶対違うよな 「君は誰、ここはどこ?」 そう震えた声で少女に問う。 「私はね九狐族のシア、シアだよ」 「ここは私のおうち狐里」 と笑顔で答えた。 僕は状況を確認しようと少女に家の外へ案内してもらった。 家を出ると、目の前に古代遺跡のような住居が壁に沿ってそびえたっていた。 39914903-f20b-43b6-80ae-f3b45fa839df
/83ページ

最初のコメントを投稿しよう!

44人が本棚に入れています
本棚に追加