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「だいたいのことは中座しちゃうんだ。だいたい分かったら興味が無くなってしまう。ずっと興味が持てるものを、大学で見つけたいと思ってる」
「うん。そっか」
恐らく、そのだいたい分かってしまうのは高台くんだからだと思うのだけど……やっぱり、興味が尽きない分野を見つけて、その大学を目指したんだ。
「ごめん、随分話し込んじゃった」
「いいよ、楽しい」
「クラスの集まり……は?」
「本当にまだ大丈夫。親御さんと来てる人多かったでしょう? うちは妹と卒業式が被って両親は来られ無かったんだけどね。だからゆっくりしてから集まるの、本当だよ?」
……高台くんといたくてクラス会の時間を過ぎてるんじゃないよと伝えたかった。実際クラス会の時間はまだまだだったし、高台くんとまだいたいのも事実。だけど、高台くんに気を使わせたくはなかった。優しい人だから。
「正義は? いいの?」
にこ。
「もう少し……」
高台くんが笑うと幸せになる。私も頑張ろうって思える。不思議だなぁ。私達は、話す事が途切れても、そこに座っていた。
初めて彼の横に座った日は緊張しすぎて、記憶が飛んでしまうほどだった。こんな風に隣にいるだけで胸が痛いくらいに高鳴って緊張した。
今も緊張するけれど、この沈黙すら、優しいと思えるのは……
チラリと横顔を見る。やっぱり、物凄くカッコいい。
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