3週目

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「俺は……あまり、誰かと話す事を、回りに好まれないみたいで」 ポツリと高台くんがそう言った。……あ。分かった気がして 「モテるもんね、その特定の女子と話したりしてたら目立つ……し……」 「そうみたいだね」 サラリと彼は言った。 「大変だね、モテるのも」 「大変……? そうかな。それに……モテてないよ」 「大変じゃないの!? モテてる! モテてるよ! 高台くんがモテてなければ、誰がモテてるって言うのよ!!」 一つ遅れの返事にならないよう、必死にそう言った。 「面白いね、陸上さん」 「女子に面白いは褒めてないよ、高台くん」 「あ、ごめんね」 謝られるのも、逆にツラいわ。 「『好きだ』って言われたのは、ほんの数回しかない」 今日は高台くんの返事も一つ遅れだ。数回でもあるだけ凄いけれど、相手は高台くんだ。数回ってことがどれほど驚くべきことなのか 「ええ!? どうして?」 「聞きたい?」 「え、あ……」 「ふっ、ごめん。意地悪しちゃった。聞いて、くれる?」 前を向いて話してた彼がふっと私の方を振り返った。 『意地悪しちゃった』ご馳走様です。 何、今の顔。昇天しそうな魂を必死に本体に結びつけ、頷いた。
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