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あれ?……でも、彼女いるって……聞いたけど……
「……彼女、いるんだよね?」
そう言ってふと思った。
「あ! そうだ! 彼女! まずいんじゃない? こんな二人で……毎週……」
腰を浮かせて、口早に言って、恥ずかしくなって、やっぱり座った。全く……疚しくなかった。ベンチで数分喋ってるだけだ。勘違い女すぎやしませんか?焦る私に反して、高台くんは涼しい顔で
「ああ、星蘭女子の子?」
!!やっぱり!!星蘭の子と付き合ってたんだ!声にならないまま、心の中で叫んだ。分かっていたし、それに胸が痛くなることに自分で驚く。
公園で遊んでいた、子供達はいつの間にか居なくなっていた。
「いつだったか、誰かが……『星蘭女子に彼女がいそう』って言い出したんだよね。俺に彼女がいた場合のイメージだってさ」
“いた、場合”?
“イメージ”?
「実際、星蘭に知り合い一人いないよ」
「え、か、彼女も?」
「そう、いない」
「星蘭以外にも彼女が」
「はは! いないよ」
「彼女、いないの!?」
「……何、ダメ?」
少し首を傾けて、そう聞いてきた。全然、ダメじゃない。むしろ、ダメ?の顔は最高。
「えぇ!??」
「……驚いた、何?」
「彼女いないの?」
「そう、言ってるけどね。だから、告白も……ってこの前言った通り」
なるほど、なるほど、なるほど!!この星蘭に彼女いるイメージも一つの……女の子達の、同盟的策略なのかもしれない。
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