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「だいたい、星蘭どこにあるかも知らないよ」
「あはは! 結構近いよ」
「へぇ、あ、知らなければ調べたらいいのか」
高台くんはスマホを取り出して……数秒。固まると、私の方へ顔を向けた。
「調べて、どうするんだろうね、俺」
「……本当だ、調べてどうするんだろうね」
「女子高の場所を調べるとか……ちょっと、残したくない履歴だな」
そう言って高台くんはばつが悪そうに鞄にスマホをしまった。
「あはは!」
何か可愛い。こんな所もあるんだな。爆笑する私の横で、高台くんも恥ずかしそうに笑った。
「……そうか。陸上さんは?」
「はい?」
「彼氏、いるの?」
「全くいません!」
いい声で即答した。
「良かった…」
はい?良かった……?
何が?
にこ。笑顔の威力!!
「じゃあ、そろそろ行くね。また、再来週、だね」
そう言って彼は去って行った。あ、来週は雨か。嫌だな。ぼんやりとした頭でそう思った。
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