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話題を変えよう。
「わた、私のっ、名前ー!」
「記憶力はいい方でね」
「なるほど」
学年全員覚えているのだろう、きっと。つか、何で高台くんと話しているのだろう。
「そろそろ、行くね」
高台くんがそう言って立ち上がった。
「あ、はい!」
「付き合ってくれて、ありがとう」
「はっ!」
武士か、私。
「陸上さん、やっぱり……」
「何でしょうか?」
「日の落ちるのも、早い。女の子は人気の少ない道は避けた方がいいんじゃないかな」
「心配ご無用!」
またしても、武士か。
「駄目だよ」
高台くんが真剣な目をしてそう言った。
「あ、はい! 気をつけます」
「うん」
ふっ、と顔を緩ませた彼の笑顔例え暗くても威力は凄くて……
「毎週木曜日、塾なんだ」
高台くんは別れ際、そう言った。毎週……
そう言われると、来週もまた……同じ時間にここを通ってしまうではないか。
にこ。
彼は最後にもう一度、笑って去った。にこ。の威力!!!!
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