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まさか後輩に彼氏が居たなんて……待てよ。これはチャンスかもしれない。
僕は、さりげなく訊いてみることにした。
「そのさ……する時って、スムーズに挿入出来るものなの?」
「あれ? 先輩も興味持っちゃいました?」
「うるさい」
「そうですね……指とかグッズで慣らしてれば出来るようになりますよ」
「グッズ……」
「ネットで買えますよ。ほら!」
須田がスマートフォンを操作して、画面を見せてくれた。そこには、葡萄の粒みたいにぶつぶつしたものが連なるグッズとやらが映っていた。こんなの、入るの? 僕は……敦史さんの指で良いや。けど、敦史さんがこれを使いたいって言ったら、きっと頷いちゃうんだろうなぁ……。
そんなことを考えていると、須田が「ぽちっとな!」と声を上げた。そして、にやりと笑って僕に言う。
「購入完了! 明日届くから先輩にプレゼントします!」
「は!? いらないから! 遠慮する!」
「そんなこと言わないで! 未知の体験も良いものですよ?」
「未知って……」
「開発、頑張って下さいね!」
「開発……」
「俺からの、クリスマスプレゼントです!」
ちょっと早いですけどね、と笑う須田を見て、僕は諦めの溜息を吐いた。
クリスマス、か……敦史さん、仕事遅くなるかな。一緒にケーキ食べたいな。そして、夜は……って、何考えてんだ、僕は……。
「先輩、顔が赤いですよ? グッズ使うのを想像しちゃってますか?」
「うるさい!」
完全に楽しんでいる須田を残して、僕は会議室を飛び出した。
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