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「……」
貰ってしまった。
後輩から、グッズを貰ってしまった……。
僕の手の中には、嫌味なくらいに可愛くラッピングされたピンク色の袋がある。それを開けると、またもやピンク色のつぶつぶした、その……グッズが入っている。
「……本当に、入るの?」
まだ敦史さんが帰ってきていないリビングでそれを手に取る。見た目は可愛く作られているけど、これ、夜に使うやつなんでしょ? うーん。複雑……。
その時、玄関のドアががちゃりと開いた。
「空、ただいま」
「う、うわーっ! お、お帰りなさい!」
急いでそれを袋の中に隠した。けど、袋を隠すのまでには間に合わなかった……!
リビングに入って来た敦史さんは、僕の手の中のピンク色の袋を珍しそうに見つめている。
「それは、プレゼントか……?」
「あ、いや、その……」
「そうか。空はモテるもんな」
「いや、違います!」
「良いよ。別に妬いたりしないから」
えっ、敦史さん、もしかしてちょっと妬いてくれてる? う、嬉しい……! なんてことを思っている場合じゃない! 隠しごとは……良く無いと思うし。
僕は腹を括って口を開いた。
「これは、後輩に貰ったグッズです!」
「……グッズ?」
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