優しく、まざる

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「空」  敦史さんの瞳が揺らぐ。きっと、今日はここまでって言おうとしている。けど、駄目。止めたら、駄目……。  ふわふわする頭のまま敦史さんに抱きついてみれば、僕の太ももに硬いものが当たった。ああ、敦史さんも興奮してくれていたんだと思うと嬉しくなる。苦しいでしょう? ね、僕に入れて下さい、敦史さん。混ざり合いたい。溶けたい。染まりたい……。 「敦史さん」 「……空」 「僕、平気だから、したい」 「……」 「欲しい」 「だが……」 「僕だって、男です。覚悟は出来てます」  見つめ合ってくちびるをくっつけ合う。お互いに息が荒い。だから、ちょっと乱暴なキスになる。閉じていた目を開けて敦史さんを見れば、熱を孕んだ彼の瞳と視線がぶつかった。また「見るな」って言われるかと思ったけど、そんなことは言わないまま、敦史さんはふっと笑って僕をベッドに押し倒した。そして、身に着けているものすべてを脱いで床に落とす。 「すまない、余裕が無いから荒くなるかもしれない」 「……何だって良いです」  僕は自ら足を開いて、精一杯のお誘いアピールをした。あ、正常位って後ろ使う時も出来るのかな……まあ、いっか。出来ない時は後ろからでも良いし……。  そんなことを考えている僕をよそに、敦史さんは手を伸ばしてベッドサイドから黒い箱を取った。 「あ、コンビニのやつ……」 「え?」  思わず声に出してしまった僕に、敦史さんは首を傾げる。僕は箱を指差して訊いた。 「前に、コンビニで見てましたよね。それ……ゴム」 「あ、ああ……見られていたのか、恥ずかしいな」  箱から正方形の袋を取り出しながら、敦史さんは苦笑する。 「万が一、ということもあるだろうと思って買ったんだ」 「僕と、こんなふうになるって思って?」 「……ああ、そうだよ」 「その頃から、僕のことなら抱けるって思ってたんですか?」 「……内緒だ」  反応しきっているそこに敦史さんはゴムを付けた。そして、僕の後ろに擦り付ける。まだ乾いていない、溢れているローションの音が響いて思わず赤面した。 「あ……」 「入れるから、力を抜いて……」
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