優しく、まざる

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「あ、敦史さん……」 「……ん」 「っ!」  頬の次は耳、そして首筋にキスを落とした後、敦史さんは身体を起こして僕の中から出て行った。  僕も起き上がって、後始末をしている敦史さんの背中にキスをした。舌を滑らせて首筋を吸うと「くすぐったい」と敦史さんが笑う。 「空、おいで」 「は、はい」  後始末を終えた敦史さんがベッドに寝転がる。僕も、敦史さんに抱き着いてベッドに身体を預けた。 「何だか、照れるな」 「そ、そうですね」 「可愛かったよ」 「う……それは、どうも……」  恥ずかしくなって、僕は敦史さんの胸に顔を擦り付けて表情を隠した。きっと僕の頬は赤い。自分から欲しいってねだったり、たくさん喘いだり……ちょっと大胆すぎた気もするけど、敦史さんは引いてる様子も無いし……ま、いっか。  急に黙った僕を心配したのか、敦史さんは僕の背中を撫でながら訊いてきた。 「身体は大丈夫か? 気分は悪く無いか?」 「へ、平気です! 何なら、もう一回くらい出来ます!」  何言ってんだ僕!  とんでもなく馬鹿なことを言った僕の顔を敦史さんは驚いた表情で見つめた後、ぷっと吹き出した。 「気持ちは嬉しいが、今日はもう眠ろう」 「そ、そうですね」  敦史さんは僕の額にそっとくちづける。 「空、好きだ。ずっと一緒に居たい。ずっと大切にするから……」 「敦史さん……僕も、好きです。約束ですよ? ずっと、一緒ですからね?」  見つめ合って、ちゅっと一回だけくちびるを合わせた。そして身体をぴったりくっつけて抱き合う。小さな隙間もないくらい、このまま溶けてひとつになるくらいに。  敦史さんのぬくもりが心地良くて、だんだん瞼が重くなってきた。 「空、おやすみ」 「ん……おやすみなさい」  それから僕は完全に眠ってしまって、起きたのはお昼前だった。目を覚ました僕の横には、優しく目を細めて「おはよう」と微笑む敦史さんが居て……。  僕は昨夜のことを思い出して赤面するのと同時に、好きな人と繋がったことが夢じゃ無かったことの幸せを噛みしめたのだった。
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