第1魔:勇者が来てますよ?

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第1魔:勇者が来てますよ?

「魔王様ーお時間ですよー」 「もう少ししたら勇者が大広間の前までやって来るんで準備して下さいー」 「魔王様ー?」 あ、居た。あんな所でうずくまってる。どうかしたのか?とりあえず傍へと急ぐ。 「魔王様、どうかされ……」 「……かいたい」 「え?」 「おなかいたいの!」 ……嫌な予感てなんでこんなに当たるんだろうか?胃がキリキリしてくる。 「ほらー!だから言ったでしょう!アイス食べ過ぎたらおなか痛くなっちゃいますよって!」 「いってないもん!」 「なっ!言いましたよ!どうするんですか?勇者もうそこまで来ちゃってますよ!」 「……かえる」 「へ?いえいえ、帰るって魔王様の家はここでしょ……って、何布団に潜り込もうとしてんですか!」 「おなかいたいからおやすみする!あとはひつじがやっといて!」 「執事ですから!メーメー鳴いたりしませんから!そもそも執事でもなくてって、ちょっと!魔王様!……」 あー、コレ絶対出てこないヤツだ。魔王城名物「シーツ饅頭」 こうなるとダメだ。……なんでコレが魔王様なんだろうか…… 「あーもう、勇者の方は私がなんとかしときますけど、後でお説教ですからね!」 あ、シーツ饅頭がプルプル震えてる。とりあえず1週間はアイス禁止が決定しましたからね! さて とにかくこの急場を切り抜ける為に逡巡した後、伝話板(スマホ)で部下を呼び出す。 「あー、私だ。武器庫からアレ持って来てくれ、タイヨウの槍。……あー、魔王様がな……いいから、笑ってないで早く持ってこい!」 バカ、いや部下との通話を切り、勇者の動向を水晶球(モニター)で確認する。 幸い、まだ大広間には着いていないようだ。 近くにいる魔物に時間稼ぎの指示を出し、とりあえず息をついた。 ああ、胃が痛い。胃薬まだあったかな?
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