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初めて繋いだその手は、意外に大きくて、引っ張られるままに、促される。
これは、そういう所に行くやつ。
なのに、手を引かれるだけなのに、足は自分の意思で動かしているんだよね。
そういう所の方向へ。
そんな事して、大丈夫?
頭の中で、ダメという気持ちと、嬉しい気持ちが何度も何度もぶつかる。
でも、嬉しい気持ちの方が大きくて、手を離さないんだよね。
お互い、言葉はなくしばらく歩いた。
信号に差し掛かり、立ち止まる。
止まった瞬間に、この沈黙が、どうしようもない程気まずい。
何か、話を、、、
私『白戸さん、、?、、んんっ』
《チュッ》
と、キレイな音を立ててキスをされた。
恥ずかしくてたまらない。
好きでたまらない。
私『あの、、、』
オロオロしている私の事を楽しんでいるのか、ただじっと笑顔で見つめられる。
つられて私も、ただ見つめる。
本当に少年みたいな顔。
同じアラサーになんて思えない。
意地悪で年上だけど、その子供みたいなえくぼが好き。
青になった信号を渡ると、その先はつまり、ホテル街だった。
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