この日。

11/12
前へ
/77ページ
次へ
白戸『あっち、行こ?』 ずっと繋いでいた手を離して、荷物を下ろした。 私って、もう究極のイエスマンじゃん。 白戸さんってこんなにかわいい顔して、いつもこんなふうに女の子を誘っているのかな? そう疑う気持ちも、心のどこかにあったけれど、好きな人ならいいと割り切った。 もうすぐ離婚するかもなんでしょ、その言葉を思い出し、私の心が前に進む。 ベッドで、キスをされる。 私はこの日、病院とホテルで、別々の人に下半身を晒している。 そんな馬鹿みたいな事を考えて途中おかしくなりながら、事を終えた。 白戸さんは、行為の後、枕に腕を伸ばしてきた。 そこに私は頭を乗せる。 私『いつも、誰にでも、いきなりこんなことしてるんですか?』 つい意地悪な事を言いたくなった。 白戸『何それ?どういう意味?誰とでもしないっしょ。』 私『だって、もし私と果南ちゃんが逆だったとして、私が地下鉄で帰っていたら、果南ちゃんとここに来てたかもしれないじゃん。。』 白戸『山口さん?勘弁してよ、山口さんとはまず二人でカラオケに行かないわ。』 私『ふーん』 白戸『ねぇゴメン、眠さ限界っ、おやすみ。』 また、チュッとキレイな音を立ててキスをされた。 これが、おやすみの儀式。
/77ページ

最初のコメントを投稿しよう!

27人が本棚に入れています
本棚に追加