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自分の部屋に一平を案内した。
本来なら誰も入れない所だが、野望は終わった。
「はぁ?ここで媚薬を作ってたぁ?しかも惚れ薬?」
呆れた声で一平が言う。
「……………。」
「お前が作れるなら、もっと有能な科学者とかが作るだろ?」
「………そこは、思い付かなかった……。全部、無駄。費やした時間も、お金もバイトも…。ここにある本も……わぁ!!」
本をひっくり返した。
一平は肩で息をする私を見ていた。
「おかしいでしょ?笑っていいよ?」
「おかしいのは、今、始まった事じゃない!」
(断言!)
一刀両断にされた。
「俺に惚れ薬飲ましてどうする気だった?」
「………ごめんなさい。」
最早、天上人には謝るしかない。
「違う!惚れ薬、何で俺に飲ませた?」
「………何でって……。え?」
ちょっと考えた。
幼馴染が天上人になる。
遠くなる。
嫌だった。
天上に行けない自分、降りて来てくれなかったら…て言う不安。
「これ…無駄じゃないだろ?この本読むために英語以外も辞書あるもんな?
成績上がったのこのお陰じゃないか?公式も化学式も全部これだろ?
バイトも、人付き合い苦手なくせに、笑顔で働いてたじゃんか。
野望は、お前を成長させたんだよ。で……ちゃんと俺の事も……ゲット出来てる!」
「は?」
理解不能、目が点、天上人が変な事言う。
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